ストレリチア秘話No.737 昔ストレリチアであればよかった

 現代独特のキャラクターが求められている大勢のお客さんを相手にしていて、時の流れを感じています。昔のままを受け継いで居る人は相変わらずいますが、近頃の高度なレベルを望む人々の要求に応えるのは容易なものではありません。

 現代の先端を求める動きとは、どんなものでしょうか。それは、普通のものでは満足しない独特なもの望んで居るのです。花の色彩の鮮やかさ、変った姿、開花時期のずれ、その他、あらゆる点で違いを探し求めます。中には花が出過ぎて困ってしまう品種もあれば、こんな鮮やかな花は見たことがないようなものもあります。

 価格を問題にするのは二級、三級品を欲しがる人たちであって、第一級を希望する人にとっては価格は問題になりません。そのような品は数少なく、一鉢しかない、のも珍しくありません。ぐずぐずしていたら他の人にさらわれてしまうかも知れないのです。そうなると二度とチャンスは巡ってきません。幸い、ストレリチアには手も出ないような価格はありません。そんなに難しいことではないのです。中には、入手不可能の品もないこともありませんが。それは交配親としての目的があるからで、やがて役目を終えれば入手の機会が無いわけではありません。

 ストレリチア栽培の高度のレベルでの難しさは、自分の望む品種がどうしたら入手できるかにある、と言えるかも知れません。