今年は珍しく★★★★★星の優秀品種が3鉢も誕生してきました。すべてがジャンセアゴールドで、色彩に優れ、二鉢はストレリチアには数少ない紫がかった紅色のスカーレットと呼ぶべき色合いで、残りの一鉢は濃紅色クリムゾン色です。
私たち人類は、相反する二つの好みを合わせ持っています。古いものを愛しながらも、同時に新しいものも欲しがるのです。私のような育種家は新しいものを生み出す側にいます。
その結果として、今までになかったようなものを作りだそうとするのです。新しいものが生まれてくれば、皆、その価値はありますが、そこは、どうしても好みが優先して、優秀花が尊重されます。
新花が日一日と色の濃さを加えてゆくのを見るのが日課となるほどの楽しみです。
花は初めから固定した色や姿で出てくるわけではありません。長い時間をかけて、ゆっくりと安定するのです。その間、どこまで進むであろうか期待を持って待ち続けるのです。
これこそが育種家冥利といえましょう。でも、私の役割はそこまでで、後の結果を楽しむのは皆さんの方です。
