草花のような一年草にとっては、花が出る、出ないは貯めた養分の問題であり、栽培の精果でもあります。兎に角、短い一生を終えるのに次の世代を残さねばならないのです。
ところがストレリチアのような多年草では事情が違ってきます。1000年も生きる寿命では、第一の目標は自分が生き残ることです。中には、子孫を残すことには力をいれないものまで出てくるのもしかたありません。
今年の我が家ではジャンセアが花盛りでした。毎年、こうなのではありません。何年に一度のことなのです。例年では花を咲かせる養分が不足していたのでしょう。でも、間違えてはいけないのは、それぞれが花を咲かせるのが分っていたことです。それを確認して集められていたのですから。ジャンセアは花立ちが悪いものが多いですから選別しなかったら、こんなことは起きません。ところが、
ストレリチア栽培では、花が出る、出ないは栽培技術には、あまり関係がありません。
その殆どが原因は遺伝にあるのです。言い方を変えれば、私たちは花を見ているようでいて、じつは、その株の遺伝を見ているようなものです。私が庭で見たジャンセアの花立ちは、私が選んだ結果を見ていたようなもののです。
ストレリチアの栽培では、技術は大きな問題ではありません。どんな株を選んだかが重要なのです。そこに、その人らしさが、すべて出てしまうのです。私たちは花を育てていると自分では思っていても、外から見ればその人が表現されているのです。
