大抵の生物が生長の適温は 25°C前後で、ストレリチアも同じです。暦でいえば6月、梅雨に差し掛かった頃から始まります。ストレリチアも同じに始動するわけですが、始めの頃は気温が十分なのに思ったほどには生長出来ません。
環境は整っても、冬の間、休んでいた根が、まだ伸び始めたばかりで、それに応じきれないのです。梅雨明け辺りになると、ようやく根が完成して準備ができてくると、今度は30°Cを越える高温の季節がやってきてしまいます。高温も、ほどほどならともかく、35°Cにもなると、生長を抑制してしまうのです。これが8月まで続きます。この頃は暑さに耐えるのが精一杯の状態なのです。
8月下旬頃になると気温も下がって来ますので、ここで最高の生育が始まります。それでも、じきに涼しい秋が巡ってきてブレーキとなりますから、せいぜい1ヶ月程度なので長くありません。このように夏の成長期といえども一様に進行するわけではなく、波があるのです。これは自然の作用ですから止め様はなく、せいぜい、それに合せて力一杯の生育をさせるようにするしかありません。この現象は東アジア モンスーン地帯の日本だけのことですが、ストレリチアにとって、そう、悪いことには思えません。
