ストレリチアの一年はほぼ花に関係して生きています
夏はストレリチアも生長期ですから、つい目が生長部分に行きがちですが、実は脇の方では、開花株に花芽が動き始めているのです。まだ、蕾ではなく、小さな花芽ですから、細かく観察しないと気がつかない程度の大きさです。それでも、目に見える部分にまで伸びているのですから、最初に花芽が形成されたのは、半月から一ヶ月も前のことでしょう。発見したのが6月なら、動き始めは初夏、いや、春の終わり頃のはずです。その頃は、未だ、前年の花が咲いていた季節だったのです。ここまで見てくると、一人前のストレリチアは一年、12ヶ月の内、10ヶ月近くも、体が花に関係していたと見ることが出来るでしょう。
これは驚きです!ただし、これは正常に花を咲かせている固体の話であって、花立ちの悪い系統は、いったい、何をしているんだ、と言うことにもなりかねません。植物生理の研究分野では、いまだに花芽形成のメカニズムが分っていません。命令を発する箇所がみつからないので、幾つかの分野の総合判断によることらしいのですが、そのルートが判然としないのです。私たちにとって、どうしても知りたいのは花芽形成の指令が出ない仕組みなのですが、謎は、まだ解明されていません。
それにしても驚くのは、開花株が、これほどまで花に力を注いでくれていることなのです。
