これもまた、あまり、ふれたくないことがらですが、事実、起きることですから述べないわけにはいきません。前号、「秘話 No.861」にて、庭園に優秀品種を植えれば喜ばれるだろう、と書きましたが、でも、少々、注釈が必要でした。それは植えるのが、「超、高級品種」だったら、私でも植えるのは控えるでしょう、ということです。そのわけは、植えても、すぐに盗難にあってしまう恐れが十分だからなのです。結果として、ほどほどの優秀品種に落ち着くことでしょう。その程度なら盗まれても大した被害ではありませんから。
私のところへみえるお客さんの話では、ストレリチアの盗難は少なくないらしいのです。
特に東京の下町では通りに面した庭先へ置くことが多いのですから、簡単に盗まれてしまうらしいのです。何しろ優秀品種は売っているところはありませんから、手に入れるには盗むのが一番、手軽だからなのです。従って、優秀品種ほど被害が大きくなる傾向があります。
お客さんの話では、仕方なく二階のベランダへ置き場を変えたそうです。このように何らかの手立てを講じる必要があります。近頃は盗む方も心得ていて、園芸業者を装い、依頼された仕事のようにして堂々と運び去るそうです。地植えの場合は、掘り上げるのに手間と時間がかかりますが、こんな手口ではたまりません。近所の人が見ていても依頼された仕事のように振舞って平気にやるのですから、要、注意です。
ストレリチアは栽培だけでなく、盗難にまで気を配らなくてならないのです。これは貴重な品を扱う人の宿命ですから仕方ありません。
