ストレリチア秘話No.873 ストレリチアの新品種の作出は大きな喜びです その1

 今までには存在しなかったストレチアを創り出す、これはストレリチア栽培としては最高の境地でしょう。私の育種家としての仕事なのですが、一般の人が、やれないことではありません。その内容の難しさを知って行えば良いのです。

 今でも手がけている人もいることでしょう。でも、大抵が間違った方向に進みがちです。殖せば良い、が多く、結果が報われません。ストレリチアは交配の結果を見るまでの年数がかかります。どんなに早くても10年はかかるでしょう。それだけの時間と労力を掛けて、結果が、今までと同じものだった、とあっては何の意味もありません。交配とは、こういう品種を生み出したい、との目標を持ってやるべきことなのです。

 その目標を達成してくれそうな親株が必要ですが。これが大変なことなのです。新品種を産むのは人ではありません。親株なのです。従って、これが見つからない以上は、交配はやってはならないのです。大抵の人が、この点のクリアーを疎かにしがちなのです。それは優れた交配親は高価でしょう。でも、これが入手出来なかったら、作業は無駄になることを知らなければなりません。

 伝統的な遺伝子の組み合わせが中心になりますが、宝クジのような突然変異さえ期待するには、余程の多くの交配が必要です。それには多くの人の参加が望まれます。例え、難しい事業でも参加してくれる人がいれば、その業界は発展出来ます。

 私は、すでにやりかけている女性を知っています。スタートは少々、曖味だったのですが、途中から本格的な方向に進んでいます。私と違って趣味なのですが、これからの時代、このような生き方が理想なのではないでしょうか。趣味の最高レベルです。