ストレリチア秘話No.878 夏の暑さとストレリチア

夏は毎日、30°Cを越える暑さが続きます。気象庁は毎日のように警報を出して、熱中症の危険を知らせます。その影響でしょうか、

「ストレリチアは、この暑さで大丈夫でしょうか」

 との質問が寄せられます。実はストレリチアは平気なのです。人間が自分を規準に考えて心配しているだけのことです。自生地の暑さも相当なものですが、40°Cを越える高温にも平気で耐えています。

 それにしても、暑さが籠もらず、空気が動いている条件が必要でしょう、この点、ハウス栽培で換気もしない密封状態では保証できません。ストレリチア栽培で、人間の規準で思いやるのは、悪いことではありませんが、ストレリチアと人間は違う生き物との感覚を忘れてはいけません。こと、暑さにかけて半砂漠地帯の植物が暑さに耐える力は、我々、日本人の想像を超えています。

 日本の夏はストレリチアにとっては天国と言えるかも知れません。高温に加えて大量の雨が生育を促進してくれるからです。それも、ほどほどが良く、余りに暑さが続くと、花芽の分化が遅れます。高温の影響とはいっても、程度があるのでしょう。大きく育てば良いだけでなく、終わり頃からは充実も大切な仕事になってくるからです。このためにはヒンヤリとした秋の季節も必要になります。ストレリチアが熱帯の気候を喜ばないのはこの点にあるのでしょう。ストレリチアは暑さも、寒さも、両方が必要なのです。