ストレリチア秘話No.882 ストレリチア栽培の失敗例

 珍しく初心者向けの話です。

 「ストレリチアの葉が丸まってしまいました。どうしたらよいでしょうか?」との質問です。これは、よく起きる失敗例で、原因は水やりの不適切で根が死んでしまって水が吸えないために、身を守るのに葉を丸めて日光を防いでいる状態です。

 ストレリチアの水やりは、冬は休止期ですから、1週間から10日に1回で十分ですが夏の成長期は1日おきと頻繁になります。この差が間違いのを生みやすいようです。どうも私たちは、冬の長さが耐えられなくて、つい、やってしまうのです。必要のない水をやるのですから、回数が多いと根を腐らせることにまで発展してしまいます。それなのに、水が必要な夏は回数が多いために、つい忘れてしまうのです。どうも、こんな性分を抱えているようで、困ってしまいます。つまり、冬の間違いが夏になって表われるのです。

 ストレリチアは丈夫で鈍感な植物ですから、間違った扱いをされても、少しぐらいなら我慢して、耐えてくれます。でも、限界はあるのです。初心者は、そこを誤解して、当たり前と思うために被害を起こしてしまうのです。

 さて、その後の処置。これが多年草の困るところで、正常な手当で回復させようとしても半年から一年はかかってしまうのです。初心者にとっては簡単ではありません。

 「こんな丈夫な植物を、よくもまあ、ここまで、ひどい目に合わせたものだ」と言われないようにご用心、ご用心。

 もう一つの原因に日射の慣れがあります。寒い冬の間、よわい光の場に置かれていたのが、春になって明るい日光の下に出されると、準備が出来ていないので葉を丸めて防ごうとする場合です。これは自然な現象ですから、慣れれば治ります。