ストレリチア秘話No.997 それは情報、では本物は?

 もう2、30年にもなるでしょうか、私の南アフリカ訪問の5回目の時のことでした。5回目は、印象深い出来事が数多くあって、思い出深い頃でした。

 成田空港出発のとき、私の2番目の娘が高校生で甥をつれて空港見学がてら見送りにやってきたのです。私が出発間際の空港を歩いていると、二階には修学旅行の小学生が見えました。よく見ると、引率の先生は昔からの知り合いです。向こうも気がついたようですが、声を掛け合うことはありませんでした。何しろ、向こう見学組で、私などは、お客の一人に違いないでしょう。でも、私にとっては大事な仕事の出発時です。気分が全然、違うのですから仕方ありません。私が、国際線乗り場へのエスカレーターへ乗るところへ、娘達が名残惜しそうに見送ってくれました。何しろ、ここを越えれば、もう、日本ではなくなるので、一般人は立ち入り出来ないのです。ハッキリと別れを感じているのが見て取れました。私にしてみれば命をかけたアフリカ行きなのですから。

 その娘が、今、私の後を継ぐべく勉強中ですが、私が何もかも秘密にしないでさらけだしてしまうのが気にいらないようなのです。自分一人だけに伝えてもらいたいのが本音のようです。でも、私に言わせれば、

 「あなたは私の本当の姿を見ている。情報だけでは伝えられないものを受け取っているではないか」

 なのです。読者の皆さん、私は隠すことなく情報を伝えていますが、事実はそれがすべてではありません。情報は情報でしかないのです。