ストレリチア秘話No.1016 二段構えの生き方を持つ植物を相手にする難しさ

これは相当に高度なレベルですから、高段者でないと理解出来ないと思います。どうも私たちは現在、遠い先祖が暮らしていた環境条件とは違った環境に生きていることが少なくないようです。この場合、身につけている生き方の規準は、最後に辿り着いた環境に適応するようになっています。ところが生物とはしたたかで、昔の生き方を忘れていないことがあるらしいのです。

 この場合は表面ではなく、奥に隠れていますから普段は気づかれないのですが、時には顔を出すこともあるのです。これが栽培技術に関わってくると、心得ているベテランと初心者では大きな違いが出てしまいます。マルーラの苗が環境条件以上の水が無いと生きられなかったり、夏のストレリチアが雨を喜んだりの理由は、この昔の生き方が現われたと見べきではないでしょうか。普段は、最後に身につけた行動様式ですましていても、いざ、それだけではすまなくなると、昔の杵柄が顔を出してくる。これなら十分に納得できます。

 次々に変化する環境の中では単純な方法だけでは済まないことも起きてきます。その時ののために二段階の手段が用意されている、と考えたらどうでしょうか。植物栽培の途中で、常識的な手法だけでは不足な場面が出てくることもあるのです。この時、臨機応変、二重の条件で応じられてこそ高段者なのです。

*このように原因がわかってきてはいても、それを実際に応用することは簡単ではありません。ストレリチアの負の部分の対応には土地構造の改造も関わってきますから経費の問題が浮上します。マルーラの場合は、種子の発芽率がよいので、放っておくと過剰な発生を防ぐ自然の知恵で制御されているのかも知れません。とは、いえ、この情報は現地には、なかなか伝わらないでしょう。私たちには、わかったことと実現とには大きな開きがあるのです。