ストレリチア秘話No.1072 次の時代のストレリチアは どんな姿に?

 現在、私たちが目にする花で、「昔は、そんな花はなかった!」植物があります。今、多く出回っている四季咲きのバラ。この先祖の原種はありません。優れた系統の遺伝を組み合わせた人工植物です。カーネーションも原種はありません。小さな花の『セキチク』が元とされています。植物も、自然のものだけでなくなって、人の手が加わってきているのです。しかも、人の期待を受けて、ますます盛んになって来ているようです。

 ストレリチアは、未だ、人間社会に入ってきて間がない植物ですから、原始の姿から、殆ど変わっていません。しかし、現代では、私のような育種家が手を加え始めていますから、これから先、どう、変化するか、分ったものではありません。ストレリチアは自然の植物として完璧でしょうが、人間社会で扱うには、まだまだ不完全なのです。

 どこを、どうするか、育種家の手に委ねられているように見えますが、それでさえも、全て、ではありません。交配は育種家の意図によってなされるのですが、全てが実現されるわけではありません。遺伝には人知を超えた出現もあるのです。そうなると、その価値を、どう評価するか、担当者の見識が問われるのです。

ストレリチアも、そろそろ、このレベルに差し掛かってきたようです。でも、これは予測や見込みですむことではありません。思わぬことだって出てくるかも知れないのです。結局のところ、そうなってみないと分らない、と言うのが実情でしょうでも、これで終わりではありません。新しい姿のストレリチアを引き立て、活躍させるのは一般の愛好家なのです。この人たちの支持が最後の局面となることでしょう。