ストレリチア秘話No.1110 ストレリチア とのなれそめは 出会いの縁で決まってしまいます

 ストレリチアの普及は私の念願です。ところが、これが難事業である事情を抱えているために思うようには進みません。理由は単純です。「これがストレリチアです」と言える良品に出会うことが難しいからです。優秀品とはいいません。普通の性能でいいのです。それは簡単なことと思われるでしょうが、実情は、そうではありません。

 ストレリチアの故郷、南アフリカでは原種が多く出回っていて性能の基準が安定しています。また、国花でもありますから、国民の意識も高いのです。それだけに一定の品が出回っています。ところが海外では事情が違うのです。

 ストレリチアの実生は変異が多く、中には好ましくないのも数多く出てしまうのです。私のような育種家は厳重な処理をしますが、一般では無視されて出回ってしまいます。そうなると望ましくない品を手に入れる機会が多くなってしまうのです。それだけではすみません。手に入れた人も、やがて気がつき手放します。すると悪いものほど横行するようになってしまうのです。

 “秘話”の読者は、すでに十分な知識を身につけているでしょうが、何の予備知識もなく参入した場合は、このような品を手にする可能性は大きいのです。すべてがそうだというわけではありません。世間風な言い方をすれば、“ストレリチアの入手は運次第”になりかねないのです。(これは南アフリカの人々には縁のないことです)

 これは、その人の意志がさせたことではなく、巻き込まれたのです。でも、こんなことでストレリチアの印象が決まってしまうのは困ります。私に出来るのは、せいぜい、間違いの無い品を広めることしかありません。