ストレリチア秘話No.1142 原種は生存試験の合格者だったのです

 植物が、何故、そんなことをするのか理由がわからないことが、いくつかありました。

 植物の中には、現世の環境ではなく、苗の内は、ご先祖が辿った道を歩まされ、それを経過した者だけが生存をゆるされることがあります。それは現在の環境と大きく違いますから、生き抜くことは容易ではありません。多くが耐えられずに枯れてしまい、ほんの僅かな数だけが生き残ってきたのです。なぜ、そんなことをするのか、最近までは考えもしなかったのです。

 理由の第一は、子孫の数を制限することにあったのです。マルーラもストレリチアも毎年、大量の実を付けます。これが全部、無事に育ったら、瞬く間に地球にあふれてしまいます。

 生物には、これをコントロールする使命が背負らされています。そうしなけれ地球全体が迷惑させられてしまうからです。それには、いろいろな方法があるでしょうが、これもその一つだったのです。

 第二の理由は難しい課題を課すことで優れた個体を選べることです。弱いものには耐えられない厳しい試験問題であることは間違いありません。

 第三は教育効果です。自分が何者であるか、アイデンティティーを身につけるには、ご先祖がやってきたことを体験させるのは大きな意味があるのです。

 この試験は、まだまだ数多くあります。ストレリチアの発芽率、生存率の低さも、その一つでしょう。現在、生き残っているストレリチアもマルーラも皆、この厳しい生存試験を潜り抜けてきた成功者なのです。改めて敬意を表わさなければなりません。

 でも、これは自然界で行われて来た事柄ですから原種だけに通用することがらです。近頃は人工養成になっていますから、手続きが甘くなっているかも知れません。要注意です。