ストレリチア秘話No.247 子孫まで受け継がれるストレリチア

 ペットに犬、猫の寿命は短く、たかだか十数年です。これに比べて愛玩植物は長生きするものが多くストレリチアも数百年を超えて生き続けます。このことは重大な意味を持っているかもしれません。それは持ち主が死んだ後も生き残ることから生じます。しかもストレリチアは大した面倒をみなくても生きることが出来るのです。庭に地植えされた場合は、邪魔扱いされない限り、面倒をみなくても平気で生き続けます。

 こうなるとストレリチアは、最初の人が抱いたイメージや印象、価値観とは違う人々と付き合うことになるわけです。そこで、こんなことが起こるでしょう。

「我が家のご先祖様は立派だったなあ、こんなすばらしいストレリチアを持っていたんだもの!」

と賞賛されるかもしれません、或いはまた、

「どうせ残してくれるなら、もっと優れたものだったらなあ!こんな程度の品では自慢にならないなあ。処分してしまおう」

という事まで起きる可能性だってあります。初代が手に入れるとくには様々な事情がありました。優秀品種が欲しくても経済的に折り合いが付かず、安い普通品で我慢した。なんということがあったかもしれません。しかし、時が過ぎ、時代が変われば、初代が味わった様々な条件は、どこかへ吹き飛んでしまっていて、残ったストレリチア、そのものだけですから。そこでの評価は客観的基準だけです。

 ストレリチアは長生きで子孫の代まで生き残る、といっても、それは子孫の商家に耐えられるものだけ、ということになります。ストレリチア栽培には、なんとも難しいことが背負わされているおもいたくもなりますが、考えてみれば、他のことも同じなのです。ストレリチアだけではありません。