ストレリチア秘話No.821 親しみやすく使えるプロテア 高度な技術が必要なストレリチア

 日本人は昔から貧富の差なく花に親しんできました。これは世界の民族の中でも珍しい存在のようです。江戸時代にやってきたヨーロッパ人が驚きの目で、このことを書留めています。彼らの國では貴族だけの風習だったのですから。

 南アフリカでも花の國ですから国中、どこへ行っても花のアレンジメントに出合います。

 中でも多く使われているのはプロテアです。この花はストレリチアと並ぶ国花ですから親しまれるのは当然ですが、種類も多く、開花期も広いので使い易いのでしょう。でも、それだけではなさそうです。花が丸く、大きく、葉も豊かなので素人でも活けやすいのです。簡単にアレンジメント出来てしまいます。木ですから枝を多く採れるからでしょう。

 これに引き換え、ストレリチアの方は、それほど多くは使われていません。使える量が多くないからかも知れませんが、一番の理由はプロテアほど気楽に使うわけには行かない難しさにあるのではないかと思われます。花の形がシャープで方向があり、ただ、並べてすまされないのです。活けるには、それなりのセンスや技術が求められるのです。素人が簡単に投げ込むわけにはいきません。これは日本とて同様です。ストレリチアを活けるには、或る程度の生け花やアレンジメントの素養がないと気楽にはやれない難しさを抱えています。

 これもストレリチアの持つ一つの特徴です。