ストレリチア栽培では温室のように雨を遮った施設以外では、夏は屋外に出した方が良い結果が得られます。利点は3つあります。1つは直射日光が受けられることで、もう1つは雨に合わせることができる点です。3つ目は風ですが、これは後にゆずります。
ここでは雨の効用について述べましょう。冬は室内や軒下で寒さを避け、雨に当ることがなくても差し支えありませんが、霜の季節が過ぎれば、雨の当る場所に出すべきです。ストレリチアには灌水が必要ですが、熟練者でない限り、これが、なかなか理想通りに進まないのです。多すぎることは滅多になく、少なすぎることはしょっちゅうで、時には忘れてしまうことさえ起きてしまいます。これが思うような栽培にならない原因の1つとなっているのです。
この不条理な扱いを補ってくれるのが雨で、人と違って、思わぬ時に降り出し、時間も量もタップリと多いのです。人知の浅はかさを遥かに越えてやってくれます。酸性雨などは減多にないでしょうが、水道水や井戸水よりは空からの水の方が優れているのではないでしようか。
「私はストレリチアを立派に育てられる」と威張ってみても、案外、雨がやってくれているのかも知れません。

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