ストレリチア秘話No.856 ストレリチアと付き合うのは時間との勝負です

 マルーラの望みは常識を越えている、と書きましたが私の見解では、「正確には、自分の生まれ育った環境条件に強く拘った」のではないかということです。それにしても、優れたものに出会うのは一筋縄ではいかないもののようです。この点ではストレリチアも負けてはいません。しかも、こちらは、もっと難しく、長い時間を要求することです。

 現在、6月下旬でストレリチアの種子を描いてから、もうじき1ヶ月ですから、そろそろ発芽してくるはずですが、それが、一向に姿を見せてくれないのです。普通、ストレリチアは最初の発芽が約1ヶ月後に始まり、その後、ほぼ終わるのに、もう1ヶ月かかります。期間が長いので途中で種子が腐ってしまうこともあるので、はらはらしながら待っているのです。3,4日で芽を出す植物が多いのに、2ヶ月も待たされてしまいます。(実は全部の発芽は未だ終わりません。少しながら未だ続くのです)

 何しろ寿命が人の十倍もあるのですから、何事も十倍の時間がかかるのです。2倍ぐらいでしたら何とか我慢も出来るのですが、これではたまったものではありません。ストレリチアの栽培を投げ出したり、忘れ去ったりする人が多いのは、ここに原因があります。

 このストレリチアのペースに合わせなければ、本来の姿を見せてくれないのでは、私のように物事はさっさと片付けなければ気が済まないセッカチ人間には尚更、辛いのです。

 そこで何とか工夫を考えなければなりません。とはいっても時間を短縮することは不可能ですから、間に合わせになってしまうことは避けられませんが解決策が三つあります。

1,栽培の単調さを避けて複雑化することです

 色々な系統を集めたり、品種数を多くして楽しみの変化をつけるのです。但し、経費が掛かりますから簡単なことではありません。

2,観察を細かく、詳しくすることです

 漫然と眺めているのではなく観察するのです。でも、これは研究者向きですから楽しめないことも起きます。でも専門家になれますよ。

3,自分の栽培だけにとどまらないことです。

あちこちの栽培場を見て回り、見聞を広めることです。これは有益この上もありません。

このようにして欠点をカバーするどころか+に変えてしまえば万全です!