ストレリチア秘話No.858 ストレリチア 自生(野生)と人工養成の違い

 秘話 No.851にて自生地と移住地、日本での育ちの違いを比較しました。今回は自生地とは、わずかしか離れていないポートエリザベスで比べてみました。

 市内からはジャンセアの自生地が数km、レギーネの自生地がが10数kmしか離れていませんから、気候条件は同じ、土質もわずかしか違わないでしょう。ポートエりザベスはストレリチア自生地を控えていますから、公園、公共用地、道路分離帯と至る所にレギーネ、ジャンセアが植えられています。それなのに、一目、見ただけで自生株と人工株の違いが分るのです。

 自生株は、株数が少なく、全体が小柄で締まった姿であるのに対し、人工株は日本産に近く、柄は細く、長く、全体に大きくなっています。この違いは、いったい何がさせているのでしょうか。

 これは全く私個人の想像なのですが、自生地では、その地の植物社会が完全に出来上がっていて、そのしきたりの締め付けが厳しく、勝手が許されないのではないか、それに対し人工栽培株は、環境が完全に破壊されて自由となり、ストレリチアが思う存分に振る舞うことが出来るのだろう、ということです。同じ地域であっても立地の条件が変ってしまったのです。

 植物の世界でも、こんなに厳しいんだ、と改めて考えさせられてしまいました。