ストレリチアは強い日射を好みます。つまり、カンカン照りが好きなんです。置かれた場所の日当たりが悪ければ。葉も、葉柄も柔らかく、弱々しい姿になってしまいます。とはいっても、これは、そう敏感な反応ではなく、長い時間、かかって、ようやく現れ、気がつくのが普通でした。
ところが、最近になって、この反応が敏感に表われる品種が出てきて驚いているのです。
それは「ジャンセアゴールド」なのです。この品種は育ちが早いのを前に述べましたが、その結果として、日照が少ないと、てきめんに反応することがわかったのです。普通の植物なら当然ですが、反応の鈍いストレリチアでは、今までなかったことです。育ちがいい分だけ日照不足に対しても敏感なです。
動物はどこで生まれ、育とうが、みな同じ姿、形をしています。生長はその動物に組み込みこまれている遺伝子のパターンから大きく外れることはありません。ところが植物は、その生長の過程での環境の影響が一部分、こんな形や姿を決めることになるのです。これを科学用語では「表現型の可塑性」と呼んでいますが。常識では当たり前のことです。動物と違って植物は、異なる環境の置かれた個体とは、同じものとは思えない姿になるのです。でも、有り難いことに、固定するわけでは無く、来年、違う環境に置けば、また変ります。
別にストレリチアの栽培が難しくなったわけではありません。やるべきことをキチンとやらなければならなくなっただけです。
強い日射を浴びて、緑が濃くなったストレリチアに出会うのは爽快です。
